3Dプリンタで自作フィギュアに挑戦!
こんにちは。3DCGデザイナーの日向です。
突然ですが、わが社には3Dプリンターが置いてあります。
ムトーエンジニアリングさんの「MF-1100」。熱溶解積層方式の3Dプリンタです。
クリエイター心をくすぐるこの子を使って、私日向は
弊社の代表、木村の誕生日プレゼントをこしらえる目論見を立てました。
その時、誕生日2週間前のこと。
作るのはこれ!「野球魂サムライナイン」に登場する、ラゼライオン!
ラゼライオンはわが社のマスコットキャラクターでもあります。
まずはプリンタで出力するためのデータを作成します。
出力するためには、いくつかのエラーチェックをクリアする必要があります。
「モデルに穴が開いていない」
「不自然に反転している面がない」
「重複している、小さすぎる面がない」
などなど…ほかにも、出力しようとするとエラーとなってしまう要素が色々あります。
何度も修正、エラーチェックを繰り返しながら
これらを全てクリアして、ようやく出力できるようになるのです。
お昼休みや定時後に、こっそりひっそりと進め、3日ほどでデータを用意しました。
モデリング、エラー修正はBlenderを使用しました。
データをSTL形式で出力し、それを更に「Slic3r」というスライサーソフトにかけます。
このソフトで、3Dプリンタの制御コードであるG-Codeに変換します。
さぁいよいよ出力します。
朝こっそりと3Dプリンタを稼働させ、出力中に失敗して崩れてしまっていないか時折チェックしにいったり…
頭、体に分けて出力し、大体3時間ほどでできました。
写真左の頭は、出力時にいっしょについてくる「サポート」を除去したものです。
右の体部分は、まだサポートがついた状態。
このサポートを、ニッパーでパキパキとっていきます。
さぁここからが時間がかかる…!!
サポートをとったモデルは、ごらんのとおり出力時の層がでています。
この層がなくなり、表面がきれいになるまで
パテを塗り、ルーターや紙やすりで研磨し、というのを繰り返していきます。
フィギュア制作に使用するパテは
一般的にポリエステルパテなどが使用されることが多いのですが
私は強烈なシンナー臭に耐えることができず、別のパテ剤を色々試していました。
個人的に一番しっくりきたのは、リキテックスのモデリングペーストでした。
絵の具の盛り上げなどに使う物です。
匂いもなく、筆でサラッと塗れるので造形のデティールも崩れにくく、何より安全!
パテを塗ったら乾くのを待ち、研磨していきます。
粉塵が舞うのでマスクをしながら、透明な作業boxの中で研磨研磨。
理想としては4、5回は繰り返したいのですが、刻々と迫ってくるタイムリミット…!
なんとかお誕生日当日にお渡ししたい。
3回ほど研磨したのち、タミヤのサーフェイサーをかけていきます。
この時の写真を撮り忘れました…!
サーフェイサーをかけた後に、更に研磨研磨。
この作業によって、細かい傷を埋めていき、よりツルツルにします。
絵の具の食いつきも良くなります。
絵の具は、発色の良いアクリルガッシュを使用しました。
塗装は主にエアブラシで行います。
筆で塗ると、どうしても筆跡が出てしまいます。
気づけば誕生日前夜…!!!この時なんと塗装が終わっておらず!!!
急ピッチで作業を詰めていきます!
なんとか誕生日当日、出勤時間には間に合うことができました。
ギリギリ塗装も乾き、紙袋にラゼライオンを入れて会社へと向かいます。
そしていよいよお渡しの時が!「社長、お誕生日おめでとうございます!」
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首もげてるーーーーーーーーーー!!!!!!!
なんということでしょう。朝の通勤時、満員電車に揺られている最中
ラゼライオンちゃんの頭に圧がかかったようで、首の皮一枚状態に…!!
こんな不吉な状態で人様にお渡しすることはできません。
速攻、グルーガン(プラスチックを溶かして接着する用具です)を手に入れ
ひん死状態だったラゼライオンちゃんを、復活させることができました。
無事プレゼントをお渡しすることができ、今はオフィスに飾っていただいています。
ラゼライオンより以前に、同じく3Dプリンタで作成した
「とくぱん」フィギュアもあります。
とくぱんも登場する!ジョリーロジャー 〜謎の文明と海賊島〜
こちらはフィギュア処女作だったこともあり、試行錯誤で3か月程かかりました…
大変なこともありますが、やっぱりモノ作りは最高に楽しいです!